[貴艦は連合軍が徴収させてもらう。」

ミスマル・コウイチロウ提督がそういった。
「お父様、どういうことですか!」

「ミスマル・ユリカ。今、私は貴女の父としてではなく軍人として任務についている」

太平洋を航海していたところクルーは突然現れた濃い軍人の台詞と自分達の艦長との関係に困惑し驚いているようね
「ミスマル提督、軍とはお話がついていたはずですが」

プロスペクターが相変わらずにこやかに言う。
まあ思ったよりはつかえるっていうこと、と後は

「現在の状況でこれだけの戦力をほうっておくわけにいかん。
それにこの艦が優れているといっても単独で火星にいける可能性は低い。
そしてその行為は軍を敵に回すだけでなく、蜥蜴との戦いに赴くということだ。
諸君らの多くは傭兵ではなく一般の民間人だと聞いている。
それを見過ごすわけにもいかん。なおかつ生存者の確認が目的というが確認したといって多くの人間を連れ帰ることは不可能だ。
ならば、確実な策をとることにするそれが軍の決定だ。わかってほしい。我々の現状は厳しいのだ」

クルーは目的の大前提が否定されていることとその危険性を知り、動揺している
初めからわかってたことだけどね。
ま、妥当っちゃ妥当よね?さて、あたしはあたしなりに動こうかしら。
「ミスマル提督の言うとおりにしたほうがいいわよ?実際そのとおりだしね。」
「こまりますなあ?軍とはお話がついていたはずだし、皆さんとは契約があります。」
「馬鹿いっちゃいけないわね。軍とはともかく民間人であるクルーの契約は無効よ。」
「はて、正当な契約ですが」
「あのねえ、敵の支配下にある地域に民間人を送るってのに?それを知らせることもなく?」
「それも契約ですから。」

「クルーが何で気づいてないのかまったくわかんないんだけど、この船で火星に行くって話、おかしいわよ。
まず戦争させるつもりはナイなんて言うけど、敵の支配下にある宇宙域にいこうってんだから戦闘になるわよ。
それも支援もまったく期待できない状況に、単独で。新兵器って言うけど、戦いは数よ数!
そもそもこの艦にあるものは敵だってもってるわよ。そもそも撃沈されることを予想して自社の人間をほぼ使ってないんじゃないの?
整備クルーなんてのは自社の人間が一番いいと思うんだけどね?契約書の内容と現状、訴えたら普通に慰謝料込みで勝てる内容だと思うわよ?」

「まあ、残りたいっていう奇特なやつは好きにすればいいと思うけど?
ただし、家族や恋人がいるやつには艦を降りることをお勧めするわ。
あとホシノ、アンタはネルガル関連の人間に親権があるけどそれについて虐待あたりで訴えればいいところまで争える思うから降りたいなら好きにしなさい。
この艦が地上で運用される軍は使う気でいるみたいだけどね?
稼ぎが気になるならそのときにでも乗りなさい。下手すれば徴員でしょうけど。まあ地球なら支援もあるしそう沈まないと思うけどねこの艦。とにかく今乗るよりは多分マシだわ」

クルーは色々騒いでいるけど大部分は降りるでしょうね。ホシノは考え込んでる。
プロスペクターはため息をついてる
さてこれからどうなるかしら?


1ヵ月後
あたしは徴収されたナデシコの艦長に任命された。厄介払いその2ね?
やれやれこれからどうなるのかしら。


あとがき。強制的に終わらせる。てかじつは普通のほうが詰まったというかふつうなのでやってみました。実はこれからもたぶん続けます。
更新遅いですが。
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