あらかじめ交渉していて軍から単独運用権を得ていたナデシコ。
しかし、火星に行くことためには地球を覆うビッグバリアの一時解除が必要。
でもそれが許されていたわけじゃない。そこでネルガルと軍の交渉となるはずだったんだけど
艦長がお偉いさんに力ずくで通ると宣言。交渉をぶち壊しにしてくれた。
やれやれ面倒なことになったわね。
「第４次防衛ラインによるミサイル軍突破。現在、第三次防衛線。宇宙軍機動兵器、デルフィニウム来ます」
「やれやれね。ま、休眠中だったチューリップの活動再開のおかげで何事もなく地表からの部隊をやり過ごせただけ、御の字か。
撃墜しちゃだめよ？できるだけ攻撃を避けて、フィールド張って突っ切るのを推奨するわ。
この艦ならそんなに問題ないはずでしょ。」
「ですが、まだそう転移エンジンの出力は十分ではありません。フィールドも完全ではなく、被害を受けますが」
「そう、でも多少の被害ならしょうがないと思うけど。攻撃するとかなりまずいしね」
「なんで、攻撃しちゃいけないの？」
ハルカが聞いてきた
「あんたらねぇ、これ以上軍ともめるつもり？ビッグバリアを通過後が大変よ？
下手すりゃ、刑事裁判。ネルガルとしても最大の取引相手と関係をこじらすことを望んでないでしょうしね。
軍だって望んでないわ。しばらくすれば双方で交渉が始まるでしょうし」
「おっしゃるとおりですなあ。できる限りそうしていただけるとありがたいのですが？」
あたしの言葉にプロスペクターが答える。
「でも、エステバリスが出てますよ？」
「誰よ？艦長なんか命令してたの？」
「いいえ！だれですかぁ？」
「ヤマダ・ジロウさんです」
「ダイゴウジガイだ！！」
ホシノが相変わらず淡々と報告する。
「アンタ、ヤマダ・ジロウでしょうが？何でアンタは出撃してんのよ！！」
「それは仮の名前だ。ダイゴウジガイは魂の名前！！ガイト呼べえぃ。
ナデシコのピンチにエースのオレ様が出なくてどうする。迫りくる敵の軍団。
怪我を押して出撃しそれをなぎ倒すオレ。くぅぅ、燃えるねぇ」
「退いてください、ヤマダさん！」
「馬鹿いっちゃいけねぇ。ま、オレの勇姿をそこで見てな!!」
「ヤマダ機通信切りました」
艦長の呼びかけを無視か。腕がどうだろうが性格がアレだと使えないっていう代表例ね。馬鹿そのもの。
「艦長、デルフィニウムとヤマダ機に対する牽制射撃をして頂戴。」
「味方を撃つんですか？そんな」
「そんなこと言ってる場合じゃないわよ。もしあいつがデルフィニウムのパイロットを
脱出不可能の状況で撃墜すればそれこそ軍との抗争に発展する可能性があるわよ！！
早く！その間にあたしが出撃してあいつをなんとかするから。いいわね、艦長！！」
レイナードが言った言葉を即座に却下。そんな悠長なことを言ってられる状況じゃないっての。
「……わかりました。おまかせします」
その言葉を聞いてアタシは急いで格納庫に向かった。
「だーはっは！！行くぞ雑魚ども！！ガイスーパーナッ…」
ドゴォォン！！
「うわっつ。なんでナデシコが俺に向かって撃ってくるんだ？おいどこ狙ってやがるこのヘタクソ！」
牽制でうかつに攻撃を仕掛けられないでいるヤマダ。
「ヤマダさん攻撃をやめてください。命令です」
「なんでだよ？あいつら、悪の敵だろ、何で邪魔すんだよ！！」
「そんな程度の精神しかもってないやつが艦の防衛の大きな部分を担っていたとはね？」
ドォォン！！
あたしはヤマダ機の推進機関を狙って撃った。
……ヤマダがあたしに気づいてなかったから上手くいったようね？
最悪撃墜になるかと思ったんだけど。
「ナデシコ、これよりヤマダ機を連れて帰還するわ！！あいつらに対する牽制お願い。くれぐれも撃墜には気をつけて。」
第二次防衛線のミサイルが来る前に帰らないと。急がないとね！！あたしは暴れるヤマダを抑えながら急いで帰還した。
「高度が上がってきてエンジンの出力が上がってきました。あと少しで完全になります。」
ホシノが報告する。
フィールドにより第二次防衛線のミサイル郡は阻まれ、爆発。
その爆発が壮大な火花を散らす。
ビッグバリアに近づく。このままフィールドで突っ切る。
「バリアに接触します。クルーは衝撃に備えてください」
そして、接触。バリアはフィールドに触れるとわずかしか持たず、穴が開いた。そしてそのまま通過。
「地球に少しの間さようなら。火星へ向けて出発です！！」
ミスマルが言う。やれやれ、火星にくということがどういうことかわかってるのかしら？
あとがき
なぜか二話から。ムネタケも活躍しすぎ。おはなしがみじかいです。
まあ宇宙にでてからが本格的な活動です。
原作ではムネタケいないですし。がんばります。
ムネタケは誰かとくっつくのかな？ムネタケ×ルリとか？
今までなかっただろうなあ。一人孤高にいくかも。オリキャラは考えてないけど出すのかなあ？
